月給12万、ボーナスなし、社会保険なし、休みなし。 エロ漫画雑誌の編集者としてブラック企業で働いた結果、心を病んで自殺未遂。 仕事を失い、うつ病と診断され、生活保護を受給することに。 社会復帰を目指すも、やる気のないケースワーカーに消耗させられ、 患者を食い物にするクリニックの巧妙なビジネスに巻き込まれる日々。 自由もなく“ただ生きている”ことへのうしろめたさからよみがえる希死念慮。 未来の見えない絶望の中、ふたたび巡り合った「漫画の編集」という仕事で運命を拓こうとするが……!? 「普通に働いて、普通に生きたかった。 その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものかを知った。 宝石も高価な服も要らない。 ただ、その日その日をつつましく生きたいと願っていた。」(本文より) うつ、自殺未遂、生活保護、親との軋轢、貧困ビジネス……。 問題ばかりの人生を生き抜く、自伝的エッセイ『この地獄を生きるのだ』。 本作は著者の編集時代を描いた特別版コミック『女編集者残酷物語』。
ブラック企業での低賃金、長時間労働の末、心が折れて自殺を試みた話。発見されて命は取り止めたが、医者に勧められて精神病院に。精神科のデイケア、障害者手帳の申請、生活保護の申請。社会復帰を願う著者にとって、これらの環境がいかにハードルが高く、絶望的で、さらに精神を病むことになるのか。読んでいて呆然となります。精神を病んでいると診断された患者がどのような扱いを受けるのか。それこそ長い刑期の受刑者と同じような境遇のように感じました。自殺未遂は健康保険が効かない。でも生活保護を受けていたら治療費を支払わなくて良い。著者が再度(再々度?)の自殺未遂から救命され、治療費を払わなくて良いことを知ったところで、試し読みパートが終了。本編で再生する話が読めると知って希望を持ちました。著者にエールを送ります。
|